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「領土ナショナリズムの魔力」を斬る!日中友好は大勢の赴くところ、人心の向かうところ

「領土ナショナリズムの魔力」を斬る!
日中友好は大勢の赴くところ、人心の向かうところ


 さる6/3、野中広務氏(元自民党幹事長)は訪中し劉雲山氏(中国共産党中央政治局常務委員)と会見し、「日中国交正常化に際し両国指導者(田中角栄首相と周恩来首相)間で尖閣(釣魚島)問題棚上げの合意があった。」とあらためて明かにした。野中氏は「日中友好は大勢の赴くところ、人心の向かうところ。」と指摘し、「日中平和友好条約締結35周年にあたり、歴史を学び直し、直視し、日中友好を修復するよう各党派の政治家を促したい。」と今回の訪中の目的を説明した。

 おりしも、5/28に「『領土問題』を考える講演会(講師:岡田充さん)」(主催:しないさせない戦争協力関西ネットワーク)に参加したところだった。講演では「領土問題は隣国との出口の見えない不毛の争いだ。」「一切妥協を許さない感情先行の領土ナショナリズム、『領土ナショナリズムの魔力』」「絶対的とみなされる国家主権を相対的に見ることで『領土ナショナリズムの魔力』の呪縛から解放される。」と的を射た指摘をされた。そして、「結局、尖閣は日本の領土ですか中国の領土ですか?」との会場からの質問に岡田さんは、「その質問にはお答えしないことにしています。」とまさに「領土ナショナリズムの魔力」に縛られないお答えをされていた。「ただ、歴史的経緯は講演で述べた通りです。」と答えられ、琉球処分やカイロ宣言、ポツダム宣言の歴史的経緯は講演レジメの年表通りだと指摘された。

 こうして見ると、「尖閣問題棚上げ」とは「領土ナショナリズムの魔力」にとらわれない素晴らしい先人の知恵であったとあらためて感心させられる。「尖閣問題棚上げ」を再確認し日中友好の修復をめざした今回の野中広務氏訪中を心から支持したい。

 しかし、菅官房長官は「野中発言に違和感を覚える」と野中氏を批判し、日本政府は「尖閣問題棚上げ合意」などなかったというまたぞろ歴史的経緯を歪曲する態度をとった。断じて許せるものではない。怒りを込めて政府の態度を糾弾する。日本政府は尖閣諸島をめぐって日中間に領土問題が存在することを素直に認め、「国交を正常化した日中共同声明(72年)」、「すべての紛争解決を武力や威嚇に訴えないことを確認し合った日中平和友好条約(78年)」、「両国首脳の相互訪問を決めた日中共同宣言(98年)」、「戦略的互恵関係推進を約束した日中共同声明(08年)」の基本原則を遵守し、「尖閣問題棚上げ」を再度実効あるものにすべきだ。日中友好の修復は国の将来にかかわる急務といえる。

 争いの海から友好の海へ。将来、日中友好を基礎にこの海域の共同開発に取り組むことができれば日中両国の国益となる。「領土ナショナリズムの魔力」にとりつかれた不毛の争いは日中両国の損害となる。その損害は日本の方がはるかに大きい。

 「領土ナショナリズムの魔力」をたたき斬り、日中友好の修復と発展に取り組もう。

日本人民委員会 伊関 要

by nameken9 | 2013-06-11 10:53